糖尿病の症状と治療

糖尿病の合併症その3

 

特に目の病気は、糖尿病が長く続いた患者さんに多く起こっています。私の知り合いでも、糖尿病を長く治療中の方がいますが、最終的には、目がかなり悪くなってきました。年齢のせいもあるでしょうが、今はほとんど目が見えていないようで、生活にとても困っている様子です。目の治療も出来ず、視力が著しく低下したまま、日常生活をしています。

 

 

このように、糖尿病は、症状が進むと目に、いろいろな影響が出てきますが、網膜症や、白内障などが合併症としていちばん多いものです。網膜症は、網膜の細い血管の中に、小さなコブが出来てしまったり、出血が起きたりして、視力が著しく悪くなる病気です。糖尿病の治療で、この網膜症を防ぐためには、正しい治療を受けることはもちろんですが、細小血管の病変を変化させてしまうような要素があるほかの病気、例えば、高血圧などもちゃんと治療することが大切です。

 

 

心臓病の中で、糖尿病と最も関係のあるものは、冠状動脈硬化です。この動脈硬化があると、狭心症、また、心筋梗塞が起きやすくなります。日本人は、もともと高血圧の方が多いですが、糖尿病になってしまうと、通常よりも高血圧が起きやすい体になります。

 

 

ですから、動脈硬化に高血圧が合わさると、脳卒中が起きやすくなります。そして、糖尿病を治療している方が、脳卒中になってしまうケースにおきましては、ほとんどが脳出血ではなく、脳血栓なのです。脳血栓は、脳梗塞、また、脳軟化症があげられます。